【100切り講座 第11回】誰でもできるライ角の確認と調整方法
【目標】
ライ角とは、クラブのソールとシャフトの角度のこと。スイング時にソール面が地面に対して、真っ直ぐ入れば、真っ直ぐに抜けてくれます。その為に人それぞれ適正ライ角というものがあります。
では、ソール面がピタッと接地したアドレスが良いかというと、そうではありません。トゥ側が少し(数ミリ程度)浮いたポジションが良いとされています。
なぜかというとスイング中、シャフトは横方向だけでなく縦方向にもしなるからです。ゴルフクラブは重心位置がシャフトの延長線上にはなく、クラブヘッドの中央付近にあります。その為、スイング時には重心位置がスイング軌道の中心方向へ向かい、シャフトは縦にしなる形となります。これを「トゥダウン現象」と言います。
※よく分からなければ飛ばしても大丈夫です。
このトゥダウンすることを考慮し、トゥを少し浮かせたアドレスが良いとされています。皆さん、自然に構えた際に、トゥ側はどれぐらい浮いていますか??
ゴルファーには当然、背の高い方、低い方、腕の長い方、短い方、前景の深い方、浅い方、様々なタイプの人がいます。なので人それぞれ適正ライ角は変わってきます。
ライ角を考え、クラブを選びましたか?
実は、(初心者さんの)クラブ選びの際にライ角というは基本的には選びませんし、選べません。
まずはライ角についての知識です
【ライ角について】
・ライ角調整の考えは、アイアンのみです。ウッド系はヘッドが丸みを帯びており、ライ角調整という考え方は基本的にありません。
・ライ角を調整できるアイアンとそうでないアイアンがあります。調整できるアイアンは軟鉄(フォージド)という素材で出来ています。
・一般的に、軟鉄アイアンは中上級者向けモデルが多いです。
・Ping(ピン)というメーカーでは、予めライ角を指定することもできます。事前の計測が必要となり、新品を購入する形となります。
では、ライ角が合っていない場合はどうしましょう?
上級者は言います!
ライ角は重要なので、合っていない場合は調整をすべきだ!!
さて、ここからが見浪の考えです。
初心者さんは、今のクラブ(一般的な入門クラブ)のままでOK!!
理由は、
・ライ角はある程度標準的な体格の人に合わせて作られている
・身長が高い人は、基本的に腕も長く、ライ角は然程変わらない(低い方も同様)
・前傾が深い方は、ただ単に前傾が深くなっているだけかと思います。前傾が浅い人も同様。初心者さんは適切な前傾姿勢がとれていない人も沢山います。現在のアドレスにクラブを合わせるより、クラブに合わせて前傾を作り直した方が、良いアドレスになるかと思います。
・仮に平らな場所できちんとライ角を合わせたところで、コースでは常に斜面があります。
つまりは、スイングの固まっていない初心者さんにとっては、ある程度合っていればOK。それより、そもそも今のアドレス(前傾角)がベストなのかをもっと考える必要があります。ライ角以外のクラブセッティングでも言えることですが(特に初心者さんに関して)完璧なセッティングではなく、そこそこ合っていればOK、というのが見浪の考え方です。
では、
【ライ角がそこそこ合っているかの確認方法!】
アドレス時にトゥ側が数ミリ浮いているのが一つの目安ですが、実際にはインパクト時にクラブの角度がどうなっているかが重要となります。そこで確認して欲しいのは、スイング時のクラブの「抜け」です。適切なライ角で振れていれば、ソールは真っ直ぐに滑り、抜けの良い状態となります。
しかし、抜けが良いか悪いか判断がつかないという方もいるかと思います。こういう時に試してほしいのが、敢えて悪い状態と比較する、ということです。
試しにクラブフェースをがっつりと被せて見ましょう。そして、素振りで地面を叩いてください。クラブの刃先から地面に入ると、刃先が地面に突き刺さり、突っかかる(引っかかる)感触があると思います。そこから少し開いたり、トゥを浮かしたり、浮かさなかったり、様々な状態で比較することで、抜けの良い状態が分かります。
そしてもう一つ、ダフった時の球筋を見てみましょう。
・フェースの裏側全体ではなく、手前側だけが地面に当たった場合、クラブはくるんと返ってしまいます。つまりは真っ直ぐに抜けてくれません。この様な悪い状態のとき、左方向へ低い球筋となるでしょう。
・トゥを浮かさず構えると、トゥダウン現象により、トゥ側だけが地面に当たる形となります。この場合は、フェースは開く形となり、弱い球筋になりやすいです。
少しのダフリは許容し、その時にひっかけないかが重要になります。
【ライ角調整3種類!】
購入時にフォージド(曲がる素材)かを確認しようなんて言っている記事もありますが、そんなことをしていたら、選択肢が限られてきます。そもそもフォージドアイアンは、基本的には中上級モデルであり、割高となります。※100切り安定の中級者さんが、次のステップとしてフォージドアイアンを選ぶことには賛成です。
ライ角が合っていなかった場合の調整法を3種類紹介します。
①前傾度合いを変える
あなたが初心者さんの場合、必要以上に前傾を取りすぎているかもしれません。この場合、手の位置が低くなり、クラブのトゥ側は浮きすぎてしまいます。逆に、前傾がとれておらず、手首が伸び切っているかもしれません。この場合、手の位置が高くなり、クラブのヒール側が浮いているかもしれません。クラブのトゥ側がほんの少し浮く程度の位置になるように、前傾を調整してみましょう。
高身長の方も前傾を深めることで十分に対応可能です。欧米の選手が短いクラブを振るときのアドレス(前傾角)を参考に。
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②グリップの握り位置を変える
前傾が深い人や身長が低めの人は、グリップ位置が低くなり、トゥが浮きすぎているかと思います。この場合、グリップを短く握れば、おのずとライ角はフラットに修正されます。
このテクニックはハーフショットでも使えます。ハーフショットはスイング速度がフルッショトに比べ遅く、その分トゥダウン現象はあまり起こりません。つまり、アドレス時にトゥを浮かす必要はほぼなくなります。ハーフショットで綺麗なインパクトにする為に、短く持っている人もいると思いますが、私はこちらの意図で短く持つことがあります。
③フォージドアイアンを購入し、ライ角調整を行う!
これが世の中一般的に良く言われる方法です。
初心者さんは③ではなく、①と②を駆使し、標準的なライ角のクラブを、適切に構えられるよう、そして抜けの良いスイングができるよう、頑張ってみましょう♪小柄な女性にもお勧めです。
長文のご朗読ありがとうございました。
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